高専カンファレンスin長野2 - kosenconf-034nagano

 せっかくなので、厨二病こじらせた感じの文体で書いてみます。

【参加編】

 時は平成。世は不況。原発事故で揺らぐ日本経済。その中で唯一、確固たる変態力でその石高を保つ国があった。そう、信濃の国である。失礼である。台風さえも退ける険しい山々に囲まれたこの地において。高専カンファレンスin長野2が開催された。

 京都から電車を乗り継ぎ、三才駅に降り立つ。避暑地として有名な長野であるが、昨今の地球温暖化の影響か、あまり涼しくない。というか暑い。おかしい。しかし、そんなことを考えていても会場に着く訳では無いのでしぶしぶ歩き始める。荷物が重い、日差しが暑い、汗が止まらない。

 会場に着くと、入り口ではウェルカムドリンクが配られていた。なんとも心憎いサービスである。滝のように汗が流れ落ちる。缶のお茶を飲む。実にうまい。ビールが飲みたい。猛烈にビールが飲みたい。いっそひとっ走りコンビニまで行ってこようかと思ったが、未成年の子たちも居る手前グッとこらえた。

 受付では、QRコードを読み取ってもらいサクッと認証。サクッとお金を払う。現役生の技術力にただただ驚くばかりである。受付のお姉様方が浴衣美人さんばかりだったので、長野は素晴らしい国だなと感じた。財布が軽くなった。

 会場の中はクーラーが効いており、実に快適な空間である。階段型の会場にはすでに数人の参加者がおり、スタッフは忙しいそうに働いている。私もスクリーンの調整や片付けなど、非常に簡単なお手伝いをしてスタッフ(もどき)として汗を流した。

 開演時間が近づくと、続々と会場に人が増えてきた。見知った顔もちらほらいる。簡単に挨拶を済ませて私は自分の席につく。右側前よりの位置に座り、自身の発表準備を兼ねながらLet's NOTEを開く。立ち上げるソフトはP3(ぺらぺらぷれびゅー)。私がTwitterを始めてから使い続けているクライアントソフトである。設定項目からハッシュタグの設定を行う。『#kosenconf』 このハッシュタグを設定する度に心が踊る。「あぁ、これからどんな面白い発表が始まるんだろうか。」「どんなきっかけが得られるんだろうか。」なんでもないpostをいくつかしながら、のんびりと発表が始まるのを待つ。

 丁寧な言葉遣いの落ち着いた大人の女性の声で、開演のアナウンスが聞こえる。ざわついていた会場が徐々に静まっていく。いよいよ開演である。

 次々と繰り出される発表。息を飲む観衆。賑わうTwitterのタイムライン。遠隔地からUstreamを観ている人々も、現地で発表を観ている人々もタイムラインでは一緒に楽しんでいる。「あぁ、これが高専カンファレンスの醍醐味なんだなぁ。」などと思いながら、発表に耳を傾ける。そして、postをする。post自体やタイムラインを追うことに集中してはいけない、あくまでも主役は私達の前で発表をしている話し手さんなのだ。集中して発表を聞く事は大切なマナーの一つである。

 発表時間の終わりが来ると、無情なドラの音がなる。今回も可愛いドラ娘さんがドラを叩いている。その様子を、高専カンファレンズがファインダーに収める。会場に響くドラとシャッターの音、目に痛いフラッシュの光。これもまた、高専カンファレンスの醍醐味の一つである。
 
 長野高専現役教員2名による基調講演から始まった発表の数々。今回のカンファレンスも素晴らしい発表の連続であった。それぞれの発表について言及したいところだが、余白が足りないのでここに記すことは控える。別にめんどくさい訳ではない。断じて無い。

 すべての発表が終わり記念撮影をした後、会場を変えて懇親会が始まる。会場ではニコ生を用いた中継が行われており、会場と遠隔参加の人たちとの交流も行える様に配慮されている。個人で気軽に生放送ができるとは、不思議な時代になったものである。

 会場が談笑に包まれる。そこここで、名刺交換がなされている。各々が各々のセンスで作った名刺を交換しあい、話をする。これもまた高専カンファレンスの醍醐味の一つである。

 恥ずかしながら私は自分の発表だけで随分と疲れてしまい、死んだ魚のような目をしながら軽食をつまんでいるだけであったが、多くの人にお声を掛けていただいた。今回のカンファレンスには、現役の1年生が多く見受けられた。私の拙い発表が若い彼らに対して、何らかのキッカケとなれば嬉しい限りである。今思えば、自分から色々な人に話しかければ良かったと思うのだが、どうやら当時の私は酷い疲労の中に居たようであり、その程度の気力すらなかったのだろう。体力不足を恥じるばかりである。






そして、夜が始まる。






 今回の高専カンファレンスには、夜の部が存在した。高専カンファレンスでしばしば行われていた『遠足』の拡大版となっている。旅館に泊まり、酒を酌み交わしながら、熱く語り合う素晴らしい試みであった。(※未成年はジュース)
 特に、旅館で行われたプレゼン大会が面白かった。(スタッフの手伝いでその大半を聞き逃した事は今でも心残りである。)話し手と聞き手の距離が近いため、発表中でも気軽にヤジや質問が飛ぶ。あぁ、こういう発表会も楽しいな。と感じた。






大いに呑み、語らった素晴らしい夜を超えて、我々は忍者になった。






 翌日。ちびっこ忍者村に集う選ばれし者達。高専カンファレンス夜の部(2日目)は戸隠チビッ子忍者村で忍者体験をすることであった。飛び交う手裏剣、響く鍔迫り合いの音、命をかけた水グモの術。
 からくり屋敷では「ここに蝶番あるし、こっち正解じゃね?」などと、チビッ子らしくない発想で難関を突破していった。選ばれし者達の中でも、忍として優秀である者達は忍装束に身を包み、これらの難関を突破していた。糞暑い中で、黒い忍装束に身を包んだ謎の大人集団は、村でも異彩を放っていた。子供たちが若干引いていたことは気にしてはいけない。






信州戸隠、そばの名産地。






 八幡屋礒五郎という七味の老舗をご存知だろうか。長野県民で知らない人はモグリと言われてしまっても過言ではない。長野県民は幼少の時分より、この八幡屋礒五郎の七味で育っている為、県外に亡命したとしても七味だけはこれを密輸し食べ続ける。かく言う私も八幡屋礒五郎で育った体、わざわざ長野から詰め替えパックを送ってもらっている。
 その八幡屋礒五郎のTVCMで有名なフレーズとして「美味しいのは、お蕎麦です。」がある。そう、長野は蕎麦の名産地なのだ。この度高専カンファレンスin長野2夜の部で訪れた戸隠は、長野県でも屈指のそば処である。ならば打つべきである。そして、食べるべきであろう。

 チビッ子忍者村で忍装束に身を包んだ我々は、次にエプロンを身に纏う事となった。そば打ち名人の指導を受けながら、少しずつ打ち上がる蕎麦。忍術を習得していた我々にとっては、幾分も難しくない作業であった。打ち上がる蕎麦。茹で上がる蕎麦。盛られる蕎麦。私は蕎麦も打たずに写真を撮っていただけなので、申し訳ない気分になりながら食す。旨い。前日に旅館で頂いた蕎麦もうまかったが、やはり手打ちで茹でたての蕎麦は格別である。天ぷらも旨い。食べ終わり、そば湯を飲む。そば湯とはこんなに美味しいものだっただろうか。日本人でよかったと感嘆の息を漏らす。

 途中、女性陣の打ったお蕎麦が余り、野郎共が飢えたハイエナが如く、その蕎麦に群がる事件もあった気がするが気のせいであろう。集る野郎共の目がやけに血走っていた気がするのも、きっと気のせいである。


 こうして、高専カンファレンスin長野2は幕を閉じた。多くのスタッフ、そしてなによりも多くの参加者に支えられ、素晴らしいカンファレンスになったと感じる。次の長野開催が楽しみである。


【発表編】

少し文体を変えて発表編。



間に合わない発表資料。
動かないプログラム。
襲い来る睡魔。
迫る発表時間。
霞む視界。

ここは、高専カンファレンスin長野2の会場。
熱気に包まれている。クーラーは効いている。

他人の発表を聞きながら、俺は焦っていた。
自分の発表が近づく。
ギリギリ間にあうかどうかのライン。
一心不乱にキーを叩く。
この時ほど、PCの性能不足を恨んだ事は無い。



数分後、なんとか発表資料が完成した。
2回ほど通しで練習をする。
自分の持ち時間は10分。
練習のタイムは8分から9分の間。
本番の緊張を考えれば妥当なタイムである。

練習を終え、会場に戻る。
少しずつ緊張の糸を編んでいく。

いよいよ自分の番が来る。
案の定プログラムは途中で落ちる。
動かないならさっさと捨てる。

いつもどおり、気が狂った様にしゃべる。
いつもどおり、しゃべった内容は覚えていない。

2つ用意したプログラムの両方とも動かず、ところどころ言葉に詰まった。
自分としては最悪のプレゼンとなった。席に帰る足取りも重い。
あまりの恥ずかしさに、今すぐここから消えて居なくなりたかった。

続くプレゼンターの皆さんが上手に発表を終えていく。
陰鬱な気分から抜け出せないまま発表を聞き、Twitterにpostを行う。

こうして、私の高専カンファレンスin長野2に於ける発表は終わった。



結果として、大西先生特別賞+審査員賞+Twitter賞と、3つも賞をいただくことが出来ました。
恐縮しすぎて、こころが折れそうな気持ちです。というか、空気読めとしか言えない。
空気読めとしか言えない。(大事なことなので(ry

内心は、うれしさ半分くやしさ半分。
素直に「やったぜ!ひゃっほー!」と思えれば良いのですが
まだまだ改善しなければ駄目だ、という気持ちのほうが強いのが現状です。

ただ、私のプレゼンをみた後輩君達から「参考になった」旨の話が聞けたので、
私のプレゼンでも、ほんのちょっとだけ人の心を動かすことができるのかなと思い。
うれしい気持ちです。そのぶん、完璧なプレゼンが出来なかったことが悔しく思えてきます。

今回は、高専カンファレンスという素晴らしい場所で発表ができてよかったです。
またいつか、高専カンファレンスで発表するときには、もっとレベルアップして発表したいと思います。

その日まで、人の心を動かせるプレゼンが出来るように、日々精進ですね。