ゆっくり歩こう

この記事は『Kosen Advent Calendar 2011』の参加記事です。
前日12月6日は@mitakuさんで「Change The World」でした!


 今日は12月7日。二十四節気では『大雪』と呼ばれる日になります。『大雪』とはどんな日なのか、Wikipedia先生に聞いてみたところ

雪が激しく降り始めるころ。『暦便覧』では「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」と説明している。
鰤などの冬の魚の漁が盛んになり、熊が冬眠に入り、南天の実が赤く色付くころ。

とのことです。私も冬眠したり、鰤のお刺身をたらふく食べたいです。ちなみに今日はクリスマスツリーの日でもあるそうです。私には一切関係無い話題なので、この記念日について言及しません。

 さて、今回は高専カンファレンスと、その存在を知ってしまった人達の為に書いてみたいと思います。


それでは本題。

 初めて私が高専カンファレンスを知ったのは、十代最後の年である高専4年生の時。高専カンファレンス2009秋 in 東京でした。その場でjune29さんが行った『Lightning Talksでゆっくりしゃべります』という発表を拝見して、衝撃を受けました。LTという発表様式がある事もココで初めて知りましたが、たった5分間でこんなに面白くて人を発狂させる発表ができる事に感動しました。高専生にはなんてすごい人が居るんだろう、私はなんて狭い世界で生きてきたんだろうと思いました。高専カンファレンスに参加してみると、沢山のすごい人に会うことができます。先輩だけでなく同輩や後輩にもすごい人が沢山いて、いろんな面白いことをしていて、いろんな面白い話を発表しています。

 そして、私は焦りました。1年生の時から4年間、割りと真面目に勉強してきて成績も悪くはない。再試も受けたこと無い。だけど今の俺には発表出来るような事が何もない。「俺も何か面白い事をしないといかんざき!」と、漠然とした焦燥感の中で色々な事に手を出してみました。マイコンをいじってみたり、よくわからないゲームを作ってみたり、新しい言語やOSに手を伸ばしてみたりしました。

 きっと高専カンファレンスに参加して、色んな分野の面白い話を聞いて刺激を受けた人の中には、この感じを味わった方も多いでしょう。『今のままの俺じゃダメだ。なにか新しい事に挑戦しないといけない。』ってね。

 そんな五里霧中な努力の中で私が気づいたのは、『まず、学校の勉強を頑張った方が良い。』という事でした。
 私はパソコンという超電脳高性能マッスゥィーンを巧みに操りながら、プログゥラァアム(巻き舌)という暗黒魔術を用いて、世界征服をする勉強を続けているわけなんですが、やっぱり独学で暗黒魔術を詠唱出来る様にするのは結構大変なんですよね。インタネッ!には、先代魔道師が書き記した沢山のサンプルや魔導書が転がっているので、それを使って学ぶことはもちろん出来ます。でも、学び始めたばかりの時は"自分が何を知らないか"が分からないんですよね。なにをどう学ぶべきなのかも分からないのです。

 紙をまっすぐ切りたい時はカッターと定規を使うと楽ですよね。でも”カッター”と”定規”という道具の存在や使い方を知らなければ、それを使おうという発想がまず出てきません。一生懸命ハサミを使って紙を切る日々が続きます。ハサミのプロフェッショナルになれるかもしれません。蟹もびっくりです。しかしそれは、本当に自分がしたい事とは違います。目的と手段の取り違えは最も避けなければならない事です。

 おそらく、漠然と何か面白いことがしたいと考えている人に必要な事は、TwitterでCrazyなTweetを積み重ねることではなくて、数多ある道具の種類や使い方を知識として少しずつ蓄えていく事だと思うのです。ちなみに、学校では道具の種類や使い方を体系的に教えてくれます。あらやだ、学校って意外と便利じゃない!(失礼)

 そうして、黙々と道具の使い方を学んでいくと色々とアイディアが生まれてきます。「定規でチャンバラしたらおもしろくね?アバンストラーッシュ!*1」とかね。よい子は危ないからやめてね。

 こうなれば後はこっちのものです。あとはひたすら自分が面白い、楽しいと感じる事を追求して行けば良いだけです。たぶんその追求の途中には山と谷が沢山あって、一朝一夕ではいかないと思います。この追求の道程は険しくてなかなか前に進んでいきません。目に見えにくい進歩を前にしてモチベーションを維持すること実に困難です。でもねでもね、少しだけ我慢して続けてみると自分が前よりちょっとだけ強くなっているのが分かります。それがすっごく楽しい。

 だから、みんな焦らないで。すぐに面白いことや楽しいことをしようとしないで。ゆっくりゆっくり、まずは学校の勉強や部活動をしっかりやってみて。その中で自分が「コレやってると俺すっごく楽しい!コレやってる時の俺、輝いてる!」と思うものを探して欲しいと思います。そして、そのコレを全力で磨いて磨いて、みんなに見せびらかして自慢して欲しい。そうすると、それを見た次の世代が「え、なにコレ面白い!私もコレで楽しみたい!」と連鎖していくと思うのです。

 この感じ、すごく素敵だなあ。そう、思ってこの記事を書きました。多くの高専生がワクワクした高専ライフを送れる事を祈りながら、擱筆したいと思います。

ではでは。

次回予告

さーて、明日のアドベントカレンダーは?
@mHi_iHmさんの出番です!わくわく!

*1:アバンストラッシュの事。『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』という漫画でアバン先生が編み出した必殺技。傘やバットを逆手で構えて振り回すのは本作を読んだ人誰もが通る道。